マジカルくりえいと
アニメ、漫画、ゲーム、小説、映画、音楽等。 コメディー小説を中心とするサブカルチャーアートです。
--/--/-- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



2011/01/30 03:41
マサシのチョコレート05
一方、あけみは自分の家で家事をしていた。本当はマサシがちゃんと家に帰っているのか電話をかけてみたかったが、なんとなく恥ずかしくて止めておいた。それに自分の両親の為に、晩御飯の仕度をしなくてはならない。
あけみの両親は病弱で、いつも仕事から帰って来るとフラフラと倒れてしまう。だからあけみは、少しでも身体に良い物を両親に食べさせてあげたいと思っていた。
あけみが、今夜の晩御飯
『日本料理中華料理イタリア料理インド料理タイ料理ベトナム料理沖縄料理台湾料理フランス料理スペイン料理その他ありとあらゆる料理の盛り合わせ』
という料理をせっせと作っていると、寝室から不気味な声がする。
「め、飯はまだかい?」
あけみの母、好子の(よしこ)の唸り声だ。そして、その声に反応して、父、拓也の低くこもった声がウゴ~ンと鳴り響く、どうやら
「母さん、飯ならさっき食べたたりょ」
と言っているそうだ。
「そうだったかしら?」
この拍子抜けた二人の会話に我慢出来なくなったのか、あけみが、
「今作ってるわよ!!」
と怒鳴ると、
「ああ、そうなの!?」
「ああ、そうかりゃ!?」
と、声のタイミングぴったり同時に返事をする。そして、いよいよ料理が出来ると三人で食事をとった。
「それにしてもあけみ、料理上手くなったりょ」
そう言ってあけみを誉めているのは父、拓也だが、勿論、普通の人間にはウゴ~ン!としか聞こえない。
「そうね、二年ほど前はとっても不味かったもの…それもすごく…とても大胆に…思い出しただけでウェ~ゲロッパ!」
「ほっといて!」
「母さんはそれほど今の料理が美味しいって誉めているりょ…ウェ~ゲリョッパ!(ウゴ~ン)」
あけみは二人の話にあきれたのか、無視してさっさとご飯を食べる。すると電話が鳴り出して、あわててあけみは電話に出た。…きっとマサシからじゃないかしら?
「あっもしもし、田崎マサシって言うんですけど」
思った通り、マサシからの電話である。
「あら?どうしたの?」
あけみは、電話がかかってくるのをずっと待っていたかの様に思われたくなかった為、わざととぼけた感じの対応をした。
「あけみ?」
「そうよ。」
「…今日はゴメンな。」
あけみはマサシに素直に謝られて、戸惑ってしまった。本当は許したりせずに、文句を散々言ってやって、少しの間からかってやりたかったのだ。
どうやら好きな相手に対して、お互いに素直になれない性格のようである。
「い、いいのよ。それよりマサシは大丈夫なの?」
「うん…いや、大丈夫じゃないかもしれへん」
そう言ってマサシは電話の向こうで苦笑いを浮かべたのか、小さく笑った。
「元気出して、私も力になるから…。」
「そんなこと言うなよ。あけみにそんなこと言われたら無理にでも頑張らなあかん…でも、ありがとうな。」
いつもあけみの前では強気なマサシだったが、今日ばかりは何か違っていた。
そう、いつもは勝手なことばかり言って、冗談にしてしまうマサシは、頼りなくとも、必ずなんとかなるんだと信じてしまえるような、そんな不思議な魅力があった。
その為か、マサシの傍にいると、あけみはどんな時も不安になるようなことはなかったのである。
けれど、今のマサシは弱気で、何か不安げな感じがした。そしてあけみはマサシに対して初めての感情が込み上げてきたのだった。
それは、胸に何かが入り込んできた様な感じで、それが零れ落ちてしまわない様に、心が締め付けられてゆく感じだ。そして、守ってあげたいという思いを大切な何かに約束する。そんな不思議な感情なのである。
あけみは、マサシに今何をしてあげたらいいかわからなかった。
「私、マサシに何かしてあげたい…」
「じゃあ僕の話の聞き役になってや、なんか、いっぱい話したいことがあるねん。」
「うん」
あけみは、何故かまた胸が締め付けられて、
その痛みのせいだろうか?ちょっとだけ、目が涙でうるんだ。それが、恋のせいだとはあけみにはまだわからなかった。
 そして、電話越しにマサシの後ろで、マサシの母親、キュウコの声がした。
「マサシ!あんた電話代高いんやから早く切りなさい!それか向こうからかけてきてもらいなさい!」
「わかった~!…そう言うわけやから電話かけてきてな。じゃあ切るわ」
マサシ!ちょっと待ちなさいよ!と、あけみが文句を言う前に電話は切れてしまった。
あけみは仕方なく電話を掛けなおそうとしたが、だんだん馬鹿らしくなってきて、そのまま電話も掛けずに自分の部屋に戻ろうとした。すると、その途中、またしても不気味な声がコダマした。
「あけみ~ちゃんと洗い物するのよ~!」
「ウゴ~ン!(今日も阪神勝ったりょ~!)」
スポンサーサイト

テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学



コメント


コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する



トラックバック

プロフィール

ラブコメディー

Author:ラブコメディー
ブログへようこそ!



最近の記事



最近のコメント



リンク

このブログをリンクに追加する



Amazon人気商品





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。