マジカルくりえいと
アニメ、漫画、ゲーム、小説、映画、音楽等。 コメディー小説を中心とするサブカルチャーアートです。
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2011/01/30 03:38
マサシのチョコレート12
次の日、マサシは意気揚々と学校に向かった。何しろ鞄の中には自分で作ったありとあらゆるチョコレートが詰め込まれているのだ。
あのあと、マサシはチョコフレークや、エブリバーガー等、市販されているチョコを作り、また、今では生産されていないチョコ、鉄砲の形をしたチョコレートや、どんぐりチョコ、サカナッチョ等を自らの手で復元させた。勿論、ピックルも例外ではなかった。
それは、マサシの凶暴までの情熱と利きチョコの能力が実現させた、まさに神業だ。
一方、あけみはあれからしばらくマサシを手伝った後家に帰って、自分が何か大事なことを見逃している変な感じがして、それがなんなのかしばらくの間わからなかった。
いや、もしかしたら気づきたくなかっただけかもしれない。
けれども、夜中遅くに突然、父が仕事首になったと言っていたことにハッ!となった。
そして、両親に事情を詳しく聞いて大喧嘩になったのである。
しかし、すぐに一番傷ついているのは仕事を辞めさされた本人達だと気づき、悲しくなって責めるのをやめた。
だからといって、悲しみが消えることはなく、布団に入っても明日への不安ばかりが押しよせてきて、とても眠れなかった。
仕方なくマサシに貰ったチョコを取り出して少し食べてみたのである。
すると、なんだか涙ばかりが溢れてきた。そしてふと思い出したのが、マサシの言っていたニンニクチョコのことだった。あけみは、こんな時だというのに笑ってしまった。そして、一度本当に作ってやろうと思い、変なことで、元気になった。まさかそのことがマサシのチョコレートを作ることになるとも知らないで…。
そして、登校の時間になってマサシにあった。
「あはようあけみ!」
「あっ、おはよ…。」
マサシはいつもより元気よく挨拶したが、あけみの方はあまり元気がなかったので、
「どうしたんや?元気ないみたいやなぁ。」
と聞いた。
すると、あけみはマサシに心配かけたくなかったので、両親の仕事のことを黙っていた。けれど、何も話さないでいたら、余計心配するだろうと考えて、
「大丈夫よ。ただの生理だから…。」
と言った。
「…そうか。」
マサシにはあけみが何かに悩んでいることに気づいていたが、何か言いづらいことなのかもしんまいと考えて、あえて深くは聞かなかった。
すると突然、あけみが泣き出して、マサシは驚いた。マサシは周りの人間に泣~かした!泣~かした!と言われないかとハラハラしたが、幸い周りにいた人が、車の接触事故を起こして、どちらが何割悪いか揉めている人達だけだったので、冷やかされずにすんだ。
「ほんまどうしたん!?本当は生理なんかと違うんやろ?あけみはいつも言い辛いことがあるとすぐに生理のせいやって誤魔化してることくらい知ってるねんで!」
マサシが心配してあけみに優しく言ってやると、あけみはヒックヒックと涙を堪えながら、昨日の夜のことを話始めた。
「本当は生理なんかじゃなくてね…。
昨日の夜ね、ダウンタウンの番組を見たあとね…トカゲのコントが面白くてね…それからお風呂に入ってね…見たいドラマを見ながらね…晩御飯は鯉の姿焼きを食べたの…。その後気持ちよく布団に入ったんだけど、眠れなくてね、ふとお父さんがリストラされたみたいなこと言っていたことを思い出してね。本人達に聞いてみたの。
そしたらね、お父さんとお母さんが仕事リストラされたことを聞かされてね…。
でも私小学生だから働けないよね、そう考えたらね、だんだん悲しくなってきて…。
その後マサシから貰ったチョコレートを食べたの、そしたらニンニクチョコレートのこと思い出してね、気晴らしのつもりで実際に作ってみたの。
でもだんだんとなんでチョコレートとニンニクを一緒に炒めてんだかわからなくなって、ニンニクとチョコを炒めてんだか心を痛めてんだかわからなくなって…。」
「それで泣いてたんか、で、そのチョコ食べたんか?」
「食べてないけど持ってきた…。」
あけみはそう言ってランドセルからニンニクチョコを取り出した。
「あけみ、そのチョコちょっと食べてみてもいいか?」
マサシがそう尋ねると、あけみはウンと頷いて、銀紙に包んだニンニクチョコを差し出した。
そして、マサシはニンニクチョコを食べてみた。
「…なんやこの絶妙なチョコレートは!甘くて!辛くて!酸っぱくて!ほろ苦い!しかもマッタリしてる!あけみも食ってみぃ!」
マサシに勧められて、あけみもニンニクチョコを少し口にした。
「何これ!?変に美味しいわ!きっとココアサラダ、バターカットチョコがあまり甘くないから良かったんだわ!」
「そう言えば聞いたことある…本場ではカカオが普通の料理の調味料に使われているらしい…。
あけみ!悪いけど用事思い出したから家に帰るわ!大丈夫!あけみのおっちゃんもおばちゃんもすぐに仕事見つけてくれるから!それに俺も働く!」
「は、働くって、あなただって小学生なのよ!」
あけみは大きな声でそう言ったが、すでにマサシの耳には届かなかった。
マサシは家に帰り、さっそく母親のキュウコに相談した。
「…つまり、あなたの言いたいことは、この家を昔の玩具屋だった頃の様に、お母さんの名義でチョコレートの店を出して、あなたが店番をして働くと言うことね。…わかったわ、そのかわりにあなたは学校を辞めることになるのよ?それでもいいの?」
「うん!」
「それと、もしあけみちゃんが大人になって、他に好きな人が出来てしまって、幸福になったとしても、その仕事を続けられる自身はあるの?」
そう言われてマサシは少し考えた。それでもマサシの夢は止まらなかった。
「…続けるよ。僕にはチョコレートしかないんやから…。」
そして、田崎家で、マサシのチョコレートと言う店が開業され、少しずつ評判を集めていったのである。そして、あけみもそこの手伝いとして働き、あけみの考えたラッピングもお客さんの間で流行り、なんとか紺野家の生活をしのぐことが出来たのだ。
それからしばらくして、紺野夫婦も仕事が決まり、全てが丸く収まったのだった。

一部『神童』完

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